メンテノート › 保守の書式
システム保守・ホームページ保守の契約書 雛形(範囲表つき)
システムやホームページの保守契約は、もめる原因の多くが「どこまでが月額に含まれるのか」です。この雛形は、条文とは別に保守範囲表を付け、月額に含む作業と別途になる作業を表で分けています。コピーして、〔 〕の中を書き換えて使ってください。
保守契約書の雛形(条文)
準委任(作業そのものを引き受ける形)の保守契約を想定した雛形です。〔 〕の中は例なので、取引に合わせて変えてください。
システム保守契約書 〔委託者名〕(以下「甲」という。)と〔受託者名〕(以下「乙」という。)は、甲が利用する〔対象のシステム・ウェブサイトの名前〕(以下「本システム」という。)の保守について、次のとおり契約(以下「本契約」という。)を結ぶ。 第1条(目的) 甲は、本システムの保守業務(以下「本業務」という。)を乙に委託し、乙はこれを受託する。 第2条(業務の範囲) 1. 本業務の範囲は、別紙「保守範囲表」のとおりとする。 2. 保守範囲表に「月額に含む」と定めた作業は、第4条の月額の委託料に含まれる。 3. 保守範囲表を変えるときは、甲乙で協議のうえ、変えた範囲表を書面または電磁的方法で取り交わす。 第3条(範囲外の作業) 1. 保守範囲表で「別途」と定めた作業、または範囲表にない作業(以下「別途作業」という。)は、乙があらかじめ作業の内容と見込みの時間を甲に示し、甲の承認を得てから行う。 2. 前項にかかわらず、本システムが停止しているなど緊急を要するときは、乙は〔1〕時間を上限として、甲の承認を待たずに復旧のための作業を行うことができる。乙は、作業後すみやかにその内容を甲に報告する。 3. 別途作業の委託料は、第4条第2項の時間単価に実際の作業時間を乗じた額とする。 第4条(委託料) 1. 本業務の委託料は、月額〔 〕円(消費税別)とする。 2. 別途作業の時間単価は、1時間あたり〔 〕円(消費税別)とし、作業時間は〔15〕分単位で〔切り上げる〕。 3. 月額に含む作業が1か月に〔 〕時間を超えたときは、超えた時間を別途作業として扱う。 第5条(作業報告) 乙は、毎月〔末日〕に、その月に行った作業の日時・作業時間・内容・区分(月額に含む作業か別途作業か)を記した作業報告書を甲に提出する。 第6条(支払) 1. 乙は、毎月〔末日〕締めで、月額の委託料と別途作業の委託料を合わせて甲に請求する。 2. 甲は、請求を受けた月の翌月〔末日〕までに、乙の指定する口座に振り込んで支払う。振込手数料は甲の負担とする。 第7条(再委託) 乙は、甲の事前の承諾を得た場合に限り、本業務の一部を第三者に再委託することができる。この場合、乙は再委託先に本契約と同等の義務を負わせる。 第8条(秘密保持) 甲および乙は、本契約に関して知った相手方の秘密情報(本システムの接続情報・利用者の情報を含む)を、相手方の事前の承諾なく第三者に開示せず、本業務以外の目的に使わない。本契約が終わった後も同様とする。 第9条(責任の範囲) 1. 乙は、善良な管理者の注意をもって本業務を行う。 2. 乙の責めに帰すべき事由により甲に損害が生じたときの乙の責任は、損害が生じた月の前〔12〕か月に甲が乙に支払った委託料の合計を上限とする。ただし、乙に故意または重大な過失がある場合はこの限りでない。 第10条(契約期間) 1. 本契約の期間は、〔 年 月 日〕から〔 年 月 日〕までとする。 2. 期間が満了する〔1〕か月前までに甲乙いずれからも申し出がないときは、本契約は同じ条件で〔1〕年間更新され、以後も同様とする。 第11条(解約) 甲または乙は、〔1〕か月前までに相手方に書面または電磁的方法で通知することにより、本契約を解約することができる。 第12条(協議) 本契約に定めのない事項や、本契約の解釈について疑義が生じた事項は、甲乙で誠実に協議して解決する。 本契約の成立を証するため、本書を電磁的に作成し、甲乙が合意した方法により取り交わす。 〔 年 月 日〕 甲:〔住所・名称・代表者〕 乙:〔住所・名称・代表者〕
別紙:保守範囲表の例
条文の第2条から参照する表です。作業を「月額に含む」と「別途(時間単価で請求・事前に承認)」に分けます。判断に迷う作業は、着手前に相談する、と決めておくと安全です。
| 区分 | 月額に含む | 別途(事前に見積もり・承認) |
|---|---|---|
| 監視・障害対応 | 死活監視とアラートの確認。障害の一次対応(原因の切り分けと暫定の復旧) | 原因の恒久的な修正、データの復元 |
| セキュリティ | OS・ミドルウェアのセキュリティ更新の適用(再起動を伴うものは事前に連絡) | メジャーバージョンの更新、言語・フレームワークの移行 |
| 軽微な修正 | 文言・画像の差し替え、設定値の変更(月〔5〕件まで) | 画面や機能の追加、仕様の変更 |
| 問い合わせ | 操作方法・不具合についての問い合わせへの回答 | 新しい機能についての調査・見積もり |
| 定期作業 | バックアップの確認、ドメイン・SSL 証明書の期限の確認と更新 | 移転・サーバの引っ越し |
区分 月額に含む 別途(事前に見積もり・承認) 監視・障害対応 死活監視とアラートの確認。障害の一次対応(原因の切り分けと暫定の復旧) 原因の恒久的な修正、データの復元 セキュリティ OS・ミドルウェアのセキュリティ更新の適用(再起動を伴うものは事前に連絡) メジャーバージョンの更新、言語・フレームワークの移行 軽微な修正 文言・画像の差し替え、設定値の変更(月〔5〕件まで) 画面や機能の追加、仕様の変更 問い合わせ 操作方法・不具合についての問い合わせへの回答 新しい機能についての調査・見積もり 定期作業 バックアップの確認、ドメイン・SSL 証明書の期限の確認と更新 移転・サーバの引っ越し
雛形を使うときに決めておくこと
1. 月額に含む作業の「量」の上限
作業の種類だけでなく、量の上限(月◯時間まで、軽微な修正は月◯件まで)を決めておきます。上限がないと、月額のまま作業が増え続けます。雛形では第4条第3項です。
2. 承認なしで着手してよい範囲
サイトが止まっているときに承認を待っていると、復旧が遅れます。「停止時の復旧は◯時間までは承認なしで着手し、あとで報告する」と決めておくと、双方が安心です。雛形では第3条第2項です。
3. 端数の扱いと単価
別途作業の時間を何分単位で数え、切り上げるのか切り捨てるのかを書いておきます。15 分単位の切り上げがよく使われます。
4. 作業報告の中身
毎月の請求の根拠になるのは作業報告書です。日時・作業時間・内容・区分(月額内か別途か)を残す、と決めておくと、別途の請求で説明がしやすくなります。書式は月次作業報告書のテンプレートを使えます。
印紙は必要か
電子契約(PDF に電子署名する、電子契約サービスで取り交わすなど)なら、印紙は要らないとされています。紙の契約書を作るときは、内容によって扱いが変わります。
- 営業者どうしで、請負に関する複数の取引について単価や支払方法などを定めた継続的な契約書は、継続的取引の基本となる契約書(第7号文書)に当たり、1 通 4,000 円です。ただし、契約期間が 3 か月以内で更新の定めがないものは除かれます。
- 第7号文書に当たらなくても、内容によっては請負に関する契約書(第2号文書)に当たることがあります(印紙税額の一覧表)。
- 作業そのものを引き受ける準委任の保守契約は、請負に当たらなければ、これらには当たらないと考えられます。ただ、保守契約は請負と準委任が混ざることが多いので、実際の扱いは契約の中身で決まります。迷うときは税務署に確かめてください。
この雛形は一般的な例です。取引の内容に合わせて調整し、必要に応じて弁護士・税理士などの専門家に確かめてください。
範囲表と、その同意の記録をメンテノートで
メンテノートは、保守を請け負う会社のためのツールです。Claude Code や Codex でした作業を自動で記録し、範囲表に沿って「月額内」「別途」に仕分けて、月末には作業報告(保守台帳)と請求書まで作ります。先行利用の期間は無料です。
ほかの書式:保守・業務委託の月次作業報告書 テンプレート